住まいの「性能」に、
妥協しない選択を。
MOISS開発の原点
家は、家族が多くの時間を過ごす大切な場所。だからこそ、誰もが「安心」と「快適」を願うのは当然です。
しかし、現代の住まいづくりにおいては、高気密化による空気のよどみ、シックハウス問題、そして地震や火災への備えなど、クリアすべき課題が複雑に絡み合っています。
従来の建材では、耐震性を高めれば他の性能が犠牲になったり、自然素材を使いたくても防火性能がネックになったり…。
「何かを優先すれば、何かを諦めなければならない」。そんな状況も少なくありませんでした。
「壁一枚で、住まいの様々な課題に応えられないだろうか?」
「防火、調湿、耐震、健康性能… 求められる多様な機能を、高レベルで両立する建材は作れないだろうか?」
他にはない、まったく新しい発想の高機能建材を創り出すこと。それが、私たち双日建材の挑戦であり、「MOISS(モイス)」開発の原点でした。
※2022年3月より三菱商事㈱より双日建材㈱へ事業継承
私たちが理想の建材を追求する中で光を見出したのが、自然界が生み出した鉱物「バーミキュライト」です。
採取したバーミキュライト片
MOISSに使用するバーミキュライト細粒(鉱屑)
南アフリカ・バラボラ鉱山外観
バーミキュライト鉱脈
南アフリカや中国などで産出される天然の粘土鉱物の一種。薄い層が幾重にも重なった特徴的な構造を持っています。その名はラテン語で「ミミズのような虫」を意味し、急加熱するとアコーディオンのように伸びる様子から名付けられました。
バーミキュライトの最大の特徴は、急加熱すると層間の水分が蒸発し、元の体積の数倍~数十倍にも膨張すること。この過程で、内部には無数の微細な孔(あな)を持つ「多孔質構造」が形成されます。この無数の孔が、まるでスポンジのように機能し、湿気を吸ったり吐いたりする「優れた調湿性能」や、空気中の有害物質や臭いを吸着する「空気清浄・消臭性能」の源となるのです。
鉱物であるバーミキュライトは、もともと熱に強く燃えにくい性質(=耐火性)を持っています。さらに、シロアリの食害を受けにくい「防蟻性」も備えていることがわかっています。
バーミキュライトは可能性に満ちた素材でしたが、それを建材として完成させる道のりは試行錯誤の連続でした。
目指したのは、単一の性能に特化するのではなく、「防火・防蟻・調湿・耐震・断熱補助・防音補助・消臭」といった多様な機能を、一枚のボードで高レベルに実現する、前例のない建材でした。
バーミキュライトの性能を最大限に活かしつつ、建材としての強度、加工性、安定品質をどう両立させるか。私たちは、珪砂、消石灰、珪藻土などの他の天然素材やセメントとの配合比率を何百、何千と変え、試験を繰り返しました。湿度や温度変化、長期耐久性など、あらゆる角度から性能を評価し、妥協なく「最適解」を追求し続けたのです。
開発当初から絶対条件としたのが「安全性」。特に、過去に問題となったアスベスト(石綿)は一切使用しないことを固く決め、原料の厳選と厳格な品質管理、第三者機関による定期検査を徹底しています。

こうした困難を乗り越え、
「他にはない多機能・高性能」という高い目標を達成したのが、
天然素材の恵みと確かな技術が融合した建材「MOISS」なのです。


モイスは、単なる壁材ではありません。その一枚に凝縮された多機能・高性能は、住む人の健康と安全を守り、快適な暮らしを実現するだけでなく、冷暖房効率の向上による省エネ、建物の長寿命化にも貢献します。
これまでの建材の常識を超え、多様な性能要求に一枚で応えるモイス。私たちは、この優れた建材を通じて、人と地球の未来に貢献し、持続可能で安心できる住まいづくりの新たなスタンダードを築いていきたいと考えています。
Web Catalog
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