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シックハウス症候群の原因となる化学物質とは?

記事公開日 :  2026/08/27

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シックハウス症候群の原因となる化学物質とは?

近年、新築やリフォームをした住宅・建物において、入居後に体調不良を訴えるケースが後を絶ちません。
頭痛・めまい・目や喉の痛みなど、いわゆる「シックハウス症候群」と呼ばれるこれらの症状は、建材や内装材に含まれる化学物質が主な原因とされています。

建設業に携わる施工管理・設計担当者にとって、シックハウス症候群の原因となる化学物質を正しく理解し、適切な対策を講じることは、建物の品質を高め、施主・入居者の安全を守るうえで欠かせない責務です。

本記事では、シックハウス症候群の基礎知識から、原因となる代表的な化学物質の種類・特性、そして具体的な対策素材まで、施工管理・設計担当者が押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。

 

シックハウス症候群とは?

 

シックハウスの定義と歴史

シックハウス症候群(Sick House Syndrome)とは、居住者の健康に悪影響を及ぼす、建材や家具などから発生する揮発性有機化合物(VOC)などの化学物質、あるいはカビやダニによる室内空気汚染が引き起こす健康被害の総称です。

その歴史は、1970年代のオイルショック以降に遡ります。
省エネルギー対策として住宅の高気密・高断熱化が進む一方で、施工性の向上を目的とした化学物質を含む安価な合板・接着剤の多用で、1990年代後半から室内空気汚染による体調不良を訴える居住者が急増し、大きな社会問題となりました。

これを受けて、2003年(平成15年)には建築基準法が改正され、24時間換気システムの導入やホルムアルデヒドやクロルピリホスに対する法的な規制が導入されました。

 

シックハウス症候群の主な症状

シックハウス症候群の症状は多岐にわたり、個人差が非常に大きいことが特徴です。主な症状は以下の通りです。

  1. 粘膜刺激症状…目がチカチカする、涙が出る、鼻水・鼻詰まり、喉の痛み・乾燥感
  2. 皮膚症状…皮膚の赤み、痒み、湿疹、乾燥
  3. 精神・神経症状…頭痛、めまい、全身の倦怠感、集中力の低下、不眠
  4. 呼吸器症状…咳、喘鳴(ゼーゼーする)、息苦しさ

 

これらの症状は、特定の建物内にいるときに強く現れ、その建物から離れると症状が軽減または消失するという特徴を持っています。

 

シックハウス症候群と化学物質過敏症の違い

シックハウス症候群と混同されやすい言葉に「化学物質過敏症(MCS)」があります。
これらは密接に関係していますが、概念が異なります。

シックハウス症候群は、特定の建物(住居など)の室内空気汚染が原因で起こる一過性の健康被害であり、その空間から離れることで改善します。

これに対し、化学物質過敏症は、過去に大量の化学物質を浴びた、あるいは微量の化学物質を長期間浴び続けたことなどが原因で、一度発症すると、日常生活に存在するごく微量の化学物質(洗剤、香水、排気ガスなど)に対しても全身に重篤なアレルギーに似た症状を示すようになる慢性疾患です。

シックハウス症候群を放置し、有害な室内環境に身を置き続けることが、化学物質過敏症を発症する引き金になると言われています。

 

シックハウス症候群の主な原因となる化学物質

 

ホルムアルデヒド(HCHO)

ホルムアルデヒドが含まれる主な建材・内装材

ホルムアルデヒドは、安価で接着力が高く、防腐効果もあるため、古くから多くの建材に使用されてきました。

主な用途は以下の通りです。

  1. 合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)などの木質系材料の接着剤
  2. 壁紙(クロス)用の施工接着剤
  3. 家具や建具の合板・仕上げ材
  4. 断熱材(ウレタンフォーム等の一部)

 

ホルムアルデヒドの人体への影響

ホルムアルデヒドは強い刺激臭を持つ無色の気体です。
低濃度でも目や鼻、喉の粘膜を強く刺激し、涙や咳を引き起こします。

長期的に吸入し続けると、呼吸器障害やアレルギー性皮膚炎の原因となるほか、国際がん研究機関(IARC)において「グループ1(ヒトに対する発がん性がある)」に分類されている極めて危険性の高い物質です。

 

国が定めるホルムアルデヒドの規制基準
(建築基準法・厚生労働省指針値)

2003年の建築基準法改正により、内装仕上げに使用するホルムアルデヒド発散建築材料には、その発散量に応じて「F☆〜F☆☆☆☆」の等級区分が義務付けられました。

最上級の「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」を取得した建材のみが、建築物への使用面積制限を受けずに使用できます。

また、厚生労働省が定める室内濃度指針値は0.08ppm(100μg/m³)(※常温25℃時)と規定されており、設計・施工時にはこの数値を下回る空気環境の確保が求められます。

 

トルエン・キシレン・エチルベンゼン

これらの物質が含まれる接着剤・塗料・防腐剤

トルエン、キシレン、エチルベンゼンは、主に有機溶剤(シンナーなど)として広く用いられてきた芳香族炭化水素です。

建築現場においては、以下の素材に多く含まれています。

  1. 油性塗料、溶剤型塗料の希釈剤(シンナー)
  2. 床材(フローリング)や内装材用の接着剤
  3. 木材の防腐剤、防蟻剤
  4. 各種シーリング材

 

VOC(揮発性有機化合物)としての特性と健康被害

これらは「VOC(揮発性有機化合物)」に分類され、常温で容易に揮発して気体となる性質を持っています。

揮発したガスを吸入すると、頭痛、めまい、吐き気、喉の痛みといった急性症状を引き起こすほか、高濃度では中枢神経系に作用し、意識障害や神経麻痺を招く恐れがあります。
慢性的な曝露は、肝臓や腎臓、造血機能への障害を引き起こすリスクがあります。

 

クロルピリホスおよびその他の防蟻剤・防虫剤

農薬系化学物質が引き起こす神経系への影響

クロルピリホスは、かつて住宅の床下などの白アリ駆除(防蟻剤)や防虫剤として広く使用されていた有機リン系の殺虫剤です。
揮発性が高く、床下から室内に侵入することで健康被害をもたらします。

有機リン系化合物は、ヒトの自律神経や運動神経に重要な役割を果たす酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを阻害するため、微量の吸入であっても、頭痛、めまい、吐き気、視力低下、さらには手足の震えや呼吸困難といった深刻な神経系障害を引き起こします。

このため、2003年の建築基準法改正において、居室を有する建築物へのクロルピリホスの使用は全面的に禁止されました。

 

アセトアルデヒド・スチレン・フタル酸エステル類など

厚生労働省が指針値を定める13物質の一覧と特徴

厚生労働省は、シックハウス症候群対策として、健康への影響が懸念される13の化学物質について、室内濃度の指針値を策定しています。施工管理や設計実務において、これらの物質がどのような建材から発生するかを把握しておくことは極めて重要です。

 

対象化学物質 主な発生源・用途 厚生労働省指針値(25℃)
1. ホルムアルデヒド 合板・MDFの接着剤、壁紙用接着剤 0.08 ppm(100 μg/m³)
2. トルエン 内装用接着剤、塗料、シーリング材 0.07 ppm(260 μg/m³)
3. キシレン 塗料、接着剤、溶剤 0.05 ppm(200 μg/m³)
4. エチルベンゼン 塗料、接着剤、スチレン系樹脂 0.88 ppm(3,800 μg/m³)
5. スチレン ポリスチレン樹脂、断熱材(発泡スチロール)、畳床 0.05 ppm(220 μg/m³)
6. パラジクロロベンゼン 衣類用防虫剤、トイレ用消臭剤 0.04 ppm(240 μg/m³)
7. クロルピリホス 防蟻剤(白アリ駆除剤)※現在は建築物への使用禁止 0.07 ppb(1 μg/m³)※小児は0.1μg/m³
8. テトラデカン 灯油、塗料、粘着剤(溶剤として) 0.04 ppm(330 μg/m³)
9. フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 塩化ビニル樹脂(床材・壁紙)の可塑剤 7.5 ppb(120 μg/m³)※現在は100 μg/m³に改定案あり
10. フタル酸ジ-n-ブチル 塗料、接着剤、可塑剤 17 ppb(220 μg/m³)
11. ダイアジノン 有機リン系殺虫剤(防蟻剤など) 0.02 ppb(0.29 μg/m³)
12. アセトアルデヒド 接着剤、防腐剤、木材保存剤、タバコの煙 0.03 ppm(48 μg/m³)
13. フェノブカルブ カーバメイト系殺虫剤(防蟻剤) 3.8 ppb(33 μg/m³)

 

シックハウス対策素材としての
MOISS(モイス)」のメリット

 

MOISSとは?

建築基準法の改正や24時間換気システムの義務化以降も、高気密住宅におけるシックハウス症候群のリスクは完全にゼロにはなっていません。
そこで、設計・施工段階から「有害物質を発生させない」だけでなく、「発生した有害物質を低減する」機能性建材の選定が注目されています。

その代表的な対策素材が、双日建材が展開する天然素材の多機能建築材料 MOISS(モイス) です。

MOISS NT 内装材は、天然鉱物のバーミキュライト、消石灰、珪砂などを主原料とした、100%天然素材から作られる内装仕上げ・下地材です。
接着剤を使用せず、高圧プレスとオートクレーブ養生によって成形されているため、製品自体から有害な化学物質(VOC)を一切排出しない(F☆☆☆☆以上の安全基準を満たす)極めてクリーンな建材です。

 

ホルムアルデヒドをはじめとする
VOC吸着・低減のメカニズム

MOISSの最大の強みは、室内に浮遊する有害な化学物質を「吸着」するだけでなく、化学的に「分解」して低減する点にあります。

MOISSの主原料であるバーミキュライトは、微細な細孔を無数に持つ多孔質構造をしています。
この細孔が、室内のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのVOCを物理的に吸着します。
さらに、MOISSに配合されている消石灰などのアルカリ成分が触媒として働き、吸着した化学物質を水や炭酸ガスなどの無害な物質に化学分解します。
一般的な吸着素材は、飽和状態になると有害物質を再放出するリスクがありますが、MOISSは「吸着+分解」のサイクルを繰り返すため、室内の空気質を長期にわたって安全に保ち続けることが可能です。

 

調湿機能と化学物質対策の相乗効果

シックハウス症候群の原因は化学物質だけではありません。室内の結露によって発生する「カビ」や、それを餌にする「ダニ」の糞・死骸といったアレルゲンも、重大なシックハウス原因物質です。

MOISSは、優れた調湿機能(吸放湿性)を備えており、室内の湿度が高くなると湿気を吸収し、乾燥すると蓄えた湿気をおだやかに放出します。
この優れた調湿効果により、壁体内や室内隅の結露を強力に防ぎ、カビ・ダニの繁殖を元から抑制します。

化学物質の低減機能と、カビ・ダニを抑制する調湿機能の相乗効果によって、住まい全体の空気環境を劇的に改善し、施主に真に安心・安全な住空間を提供することができます。

 

まとめ

新築・リフォーム時におけるシックハウス症候群の防止は、建物の品質を保証し、施主との信頼関係を築く上で避けては通れないテーマです。

法規制に適合した「F☆☆☆☆」建材を使用することは今や最低限の基準であり、それだけでは防ぎきれない他のVOCや、カビ・ダニ対策までを視野に入れた設計・施工管理が求められています。

100%天然素材でありながら、ホルムアルデヒドをはじめとするVOCを能動的に吸着・低減し、さらに結露を防ぐ優れた調湿性能を持つ「MOISS」は、現代の住宅設計における強力なソリューションとなります。
施工性や意匠性にも優れ、内装制限のある場所でも安心して使用できるMOISSを、ぜひ次の設計・施工計画において検討してみてはいかがでしょうか。

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