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シックハウス症候群とは?原因は?症状や対策もご紹介!

記事公開日 :  2026/02/09

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シックハウス症候群とは?原因は?症状や対策もご紹介!

新築やリフォームを行った建物で、めまいや頭痛、吐き気などの体調不良を訴える入居者が増えています。
これは「シックハウス症候群」と呼ばれる現象で、建材や接着剤に含まれる化学物質が主な原因とされています。

建設業界では、施主からの健康への配慮要望が高まっており、シックハウス対策は施工品質を左右する重要なポイントとなっています。
そこで本記事では、施工管理や設計に携わる方々に向けて、シックハウス症候群の基礎知識から具体的な対策方法まで、実務に役立つ情報を詳しく解説します。

 

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは、建材や家具、内装材などから放散される揮発性有機化合物(VOC)などの化学物質が原因で、居住者の健康にさまざまな不調を及ぼす状態を指します。
高気密・高断熱化が進んだ現代の住宅において、換気不足と相まって室内空気中の化学物質濃度が高まり、社会問題となりました。

日本では、この問題に対処するため、2003年7月1日に建築基準法が改正され、ホルムアルデヒドやクロルピリホスの使用制限、24時間換気設備の設置義務化などが盛り込まれました。
これにより、一定の基準は設けられましたが、未だにシックハウス症候群に悩まされるケースは存在し、建設に携わる者としては継続的な対策が求められています。

 

シックハウス症候群の主な原因

 

化学物質による室内空気汚染

シックハウス症候群の主要な原因は、建材や内装材、家具などから放散される様々な化学物質です。

これらは「揮発性有機化合物(VOC)」と呼ばれ、室内の空気質を悪化させます。

ホルムアルデヒド

接着剤、塗料、合板、パーティクルボード、繊維製品の防腐剤などに広く使用されています。

目や鼻、喉への刺激症状のほか、発がん性も指摘されており、特に注意が必要です。

トルエン・キシレン

塗料、接着剤、インク、溶剤などに含まれる有機溶剤です。中枢神経系への影響があり、頭痛、めまい、吐き気などの症状を引き起こすことがあります。

クロルピリホス

かつては木材の防腐剤やシロアリ駆除剤として使用されていましたが、神経毒性が強く、現在は建築基準法により原則使用が禁止されています。

しかし、過去に建てられた建物では残留している可能性も考慮する必要があります。

 

建材・接着剤・塗料に含まれる有害物質

上記で挙げた化学物質は、主に以下の建材や仕上げ材、施工材料に含有されています。

  1. 合板、パーティクルボード、MDFなどの木質系建材(接着剤)
  2. 壁紙(接着剤)
  3. フローリング材(接着剤、表面加工剤)
  4. 断熱材
  5. 塗料、ワックス
  6. 接着剤、シーリング材

 

換気不足による化学物質の蓄積

現代の住宅は、省エネルギー化のために高気密・高断熱化が進んでいます。
これは快適な室内環境を保つ上で有効ですが、同時に室内の空気が外部と入れ替わりにくくなり、化学物質が室内に滞留しやすくなるという側面も持ちます。
24時間換気システムの不適切な使用やフィルターの目詰まりなども、換気不足の原因となります。

 

その他の要因(湿気・カビ・ダニなど)

化学物質だけでなく、高湿度によるカビやダニの発生もシックハウス症候群の症状を悪化させる要因となります。
カビやダニはアレルギーの原因となり、化学物質による刺激と複合的に作用することで、より深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。

 

シックハウス症候群の主な症状

シックハウス症候群の症状は多岐にわたり、個人差が大きいのが特徴です。

特定の症状に限定されず、複数の症状が複合的に現れることもあります。

 

身体的症状

目・鼻・喉の刺激症状

  1. 目の痛み、かゆみ、充血
  2. 鼻水、鼻づまり、くしゃみ
  3. 喉のイガイガ感、咳、声枯れ

 

これらはホルムアルデヒドなどの刺激性の化学物質によって引き起こされることが多いです。

頭痛・めまい・吐き気

トルエンやキシレンなどの有機溶剤が原因で、中枢神経系に影響を与えることにより発生します。倦怠感を伴うこともあります。

皮膚の異常

かゆみ、湿疹、赤み、乾燥肌、アトピー性皮膚炎の悪化など、アレルギー反応に似た症状が現れることがあります。

 

精神的症状

身体的な症状だけでなく、精神的な不調を訴えるケースもあります。

  1. 倦怠感、疲労感
  2. 不眠、睡眠障害
  3. 集中力低下、記憶力の低下
  4. イライラ、抑うつ気分

 

症状の個人差と化学物質過敏症との関係

シックハウス症候群の症状は、同じ環境にいても人によって現れ方が大きく異なります。

これは、個人の体質や免疫状態、感受性の違いによるものです。
特に、ごく微量の化学物質にも過敏に反応し、多様な症状を呈する「化学物質過敏症」は、シックハウス症候群が引き金となることもあります。

一度、発症すると、日常生活に大きな支障をきたす可能性もあるため、予防が極めて重要です。

 

シックハウス症候群の対策方法

シックハウス症候群の対策は、設計段階から入居後に至るまで、各フェーズで継続的に実施することが重要です。

施工管理や設計に携わる皆様には、施主の健康と安心を守るため、以下の対策を徹底していただきたいと思います。

 

設計段階での対策

建物の基本設計段階で、シックハウス対策を考慮した材料選定や換気計画を立てることが、最も効果的な予防策となります。

低ホルムアルデヒド建材の選定(F☆☆☆☆等級)

建築基準法では、ホルムアルデヒドの放散量に応じて建材をF☆(エフスター)からF☆☆☆☆(エフフォースター)までの等級に分類しています。
F☆☆☆☆はホルムアルデヒド放散量が最も少ない最高等級であり、使用面積の制限なく利用可能です。

設計段階でF☆☆☆☆等級の建材を積極的に採用することで、室内空気中のホルムアルデヒド濃度を大幅に低減できます。

自然素材・天然素材の活用

無垢材、漆喰、珪藻土などの自然素材や天然素材は、化学物質の放散が極めて少ないため、シックハウス対策に有効です。
また、調湿性や消臭性を持つ素材もあり、快適な室内環境の維持に貢献します。

たとえば、天然鉱物バーミキュライトを主成分とする調湿建材「MOISS(モイス)」は、優れた調湿性能で結露やカビの発生を抑制し、ダニの繁殖を抑える効果があります。
さらに、ホルムアルデヒドなどの有害化学物質を吸着・低減する機能も持ち合わせているため、シックハウス対策に非常に有効な選択肢となります。
MOISSのような機能性建材を積極的に提案することで、施主の健康と安心をサポートできます。

換気計画の最適化

建築基準法では、24時間換気設備の設置が義務付けられていますが、単に設置するだけでなく、その効果を最大限に引き出すための換気計画が重要です。

適切な換気経路の確保、換気回数(0.5回/h以上)の設定、フィルターのメンテナンス性などを考慮し、効率的な換気が行われるよう設計します。

 

施工段階での対策

設計で定めた対策を確実に実行するためには、施工段階での適切な管理が不可欠です。

適切な施工管理と養生期間の確保

接着剤や塗料は、乾燥する過程で化学物質を放散します。
施工後は、十分に換気を行いながら、これらの材料が完全に乾燥するまでの養生期間を確保することが重要です。

特に、冬季など乾燥しにくい時期は、養生期間を長めに設定するなどの配慮が必要です。

接着剤・塗料の選定と使用量の管理

F☆☆☆☆等級の接着剤や塗料を使用することはもちろん、必要最小限の使用量に留めることも大切です。

過剰な塗布や接着剤の使用は、化学物質の放散量を増やす原因となります。施工マニュアルを徹底し、職人への周知を徹底しましょう。

 

竣工後の対策

建物が完成し、引き渡し前に行う対策も、入居者の健康を守る上で非常に重要です。

ベイクアウト(加熱換気)の実施

入居前に室内を一時的に高温(例:25~30℃程度)にし、化学物質の放散を促進させた上で、集中的に換気を行う「ベイクアウト」は、初期の化学物質濃度を効率的に低減させる効果が期待できます。特に新築物件では有効な手段です。

室内空気質測定の実施

入居前に専門業者による室内空気質測定を実施し、ホルムアルデヒドやその他のVOC濃度が国の定める基準値以下であることを確認することは、施主への安心感提供にもつながります。
測定結果を施主に報告することで、信頼関係の構築にも寄与します。

 

入居後の対策

入居者自身が行う対策についても、事前に適切な情報提供を行うことが、長期的な健康維持に繋がります。

適切な換気の励行

24時間換気システムは常時稼働させること、そして定期的な窓開け換気を推奨します。

特に、調理時や入浴後など、湿気がこもりやすい場面での換気は重要です。

家具・カーテンの選定

新しい家具やカーテンも、製造過程で使用された接着剤や塗料から化学物質を放散する可能性があります。

施主には、低VOC製品や自然素材製品を選ぶようアドバイスし、購入直後は十分に換気された場所で「ガス抜き」をするよう促しましょう。

 

まとめ

シックハウス症候群は、施主の健康と安心に直結する重要な問題であり、建設業界に携わる者として避けて通れない課題です。
設計段階での建材選定や換気計画、施工段階での適切な管理、そして竣工後のベイクアウトや空気質測定、さらには入居後の生活におけるアドバイスまで、各フェーズで一貫した対策を講じることが求められます。

特に、F☆☆☆☆等級建材の採用や、MOISSのような有害化学物質を吸着・低減する機能を持つ天然素材系建材の活用は、健康的な室内環境を実現するための有効な手段となります。

施工管理や設計に携わる皆様が、これらの知識と対策を実践することで、施主からの信頼を獲得し、より質の高い住まいを提供できることを願っています。

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